ハリウッドの反逆者 ロジャー・コーマン

今年で86歳になるロジャー・コーマンは、60年代から80年代にかけて、いわゆるB級映画を大量に製作し、アメリカ業界にインディペンデントの王様と名を馳せたプロデューサーである。ただ彼が単なるB級と一線を画したのは、当時無名だったマーティン・スコセッシ、フランシス・コッポラ、ロン・ハワード、ジャック・ニコルソン、ピーター・ボグダノビッチ、ジョナサン・デミ、ジェームス・キャメロンなど、後々ハリウッドを代表するクリエーターとなった才能を次々に発掘したことだった。質より量で勝負。作品にはアクションかお色気はマスト。安く、早く、楽しくをモットーとしてB作品を製作し続けたコーマンのドキュメンタリーはかなり面白そう。300本以上製作した映画作品の中で、赤字を出したものは一つもないと豪語するコーマン。誰もが新しい映画製作/配給の形を模索しているいま、とても興味深いアプローチである。予告編のラストで、丸く太ったジャック・ニコルソンが「ロジャーは時々まぐれで良い作品を作ることだってあったんだ」と語るのはご愛嬌。


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About 山本 兵衛

米マサチューセッツ州の高校を卒業後、ニューヨーク大学Tisch School of the Artsにて映画製作を学ぶ。卒業作品『A Glance Apart』がニューヨークエキスポ短編映画祭にて最優秀フィクション賞を受賞。またフランスの国営チャンネル Arte、日本ではシネフィルイマジカにて放映。アメリカの配給会社 Kino Internationalにて4年間マネージャーを務めた後、ハリウッド大作『シャンハイ』などに現場通訳として参加しながら、監督/プロデューサー/脚本家として活動。自身の短編作品が、ロッテルダム国際映画祭やトライベッカ映画祭などで上映されている。ドキュメンタリー『サムライと愚か者〜オリンパス事件の全貌』で長編デビュー。青山学院大学にて非常勤講師を務める。

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